大切な記憶を

「両腕は何とか軽症で済んだらしいですが…一番重症なのが頭部であり、トラックとぶつかった時に強くぶつけたらしく、一部の記憶が抜け落ちているかもしれないと…。」

憐はここで区切る。

横目で憐を見ると、唇をきつくかみしめて悔しそうな顔をしていた。

「…憐…。」

私は思わず名前を呼んで憐の腕に触れる。

先生は苦しい顔をしながら腕組みをしていった。

「そう…思った以上に重症なのね。」