大切な記憶を

制服を着て、大きな鏡の前でしわを伸ばす。

カバンを肩に担いで部屋を出る。

リビングのお母さんに聞こえないようにそーっと階段を下りる。

今は、お母さんに会いたくなかった。

そう思ってもう一段、そーっと足をついた時だった。

ギシッ

と階段が軋む音が響く。