大切な記憶を

「衣亜…。」

憐が私の肩をたたいて窘める。

「よせよ。」

「なんで?だって、視衣が起きないんだよ!おかしいよ、私視衣は絶対起きてるって思ってたのに!「おはよう」って、「心配かけてごめん」って、私たちを見ながら笑ってくれると思ってたのに!なんで…。」

私はそれ以上言えなくて、思わず涙がこぼれてしまう。

「衣亜…。」

「なんで…なんで…。」

私はもう、それしか言えなかった。