大切な記憶を

そんなこと、自分で考えな。

思わず言いそうになるセリフを抑え込んで私は言った。

「ただそばにいてあげること。寄り添うこと。それだけ。」

「…本当にそれだけでいいのかな。」

「それ以外にも憐が視衣にやってあげたいことがあるなら、それもやってあげれば。それだけでしょ。…特別なことなんてやらなくていいの。」

私は櫛を枕元に置いて膝に布団をかけた。

「…そっか。ありがとう。」

「…ん。」

「お休み。」

隣のベットのスタンドの電気が消えると、憐がベットに横になる音が聞こえた。