大切な記憶を

「事情を説明しますので…視衣さんのご両親のみ、いらしてください。」

お医者さんはそういって、病院の奥へと向かう。

そのあとにつづいて視衣のお母さんとお父さんが歩き出す。

憐の両親は私たちのところに来ていった。

「二人はもう家に帰ってなさい。とくに衣亜ちゃん。女の子なんだら、もう帰りな。憐、送ってやって。」

「い、いえ!大丈夫です。親にはもう許可は取っているので…もしもの時は、泊まっていってもかまわないといわれているので。」

「…。でも、ねぇ。」

憐のお母さんはそういって、憐のお父さんと顔を見合わせると、困った顔をした。

と、

「母さん。」