極道娘!

あたしの拳は父さんに命中するはずだった。だが、腕を掴まれて止められた。

あたしの側近、東響介(ひがしきょうすけ)によって。


「お嬢、怒りに任せて組長を病院に叩き込むつもりですか。」


紫の眼で呆れたようにこっちを見てくる。


「ったりめぇだろ。このゴミが勝手に見合いなんざ決めるから」

「実の父親にゴミはないでしょう…せめてクズにしたらどうですか?」

「一緒じゃねーか」


と響介がボケたところにツッコミを入れて油断させて…


ードガッ!


っと音がなったのは、父さんの顔ではなく、あたしの鳩尾だった。

気絶間際に思った。何故ボケた、我が側近。