さくらへようこそ

安部は指先で頬をかいた後、
「まあ、隠すようなことでもないので…」

先ほど美桜に話した相談を大倉に全て話した。

「なるほど。

あなたと上野さんは、ノゾミさんの大学の卒業をお祝いしたいと」

大倉は納得したと言うように首を縦に振った。

「盛大に…とまでは言わないですけど、はい」

安部は呟くように言った後、うなずいた。

「いいでしょう、協力しましょう」

大倉はパンと、両手をたたいた。

「協力、ですか?」

美桜は聞き返した。