さくらへようこそ

「あっ…」

入ってきたのは、大倉だった。

「すみません、お邪魔でしたか」

美桜と安部が2人いることに、大倉は何を思ったのか出て行こうとした。

「大倉さん、違います。

安部さんは相談しにきただけなんです」

出て行こうとする大倉を美桜は止めた。

このシチュエーションは、少女マンガでよくある“両手に花”と言うヤツだろうか?

イケメン…確かに、安部も大倉もなかなかのいい男だと思う。

…何だかいろいろと間違っている部分があるとは思うが。

「ああ、そうでしたか」

大倉は納得したようにうなずくと、安部の隣に腰を下ろした。