さくらへようこそ

「初めまして、大倉と申します」

大倉が会釈をしたので、
「星野です」

星野は会釈を返した。

「星野さん。

この前私が買った日本酒、まだ残ってるかしら?

店にそれを出したら大倉さんが気に入ってくださって」

そう言った美桜に、
「今お出しします」

星野は店内を歩き始めた。

「お酒がたくさんありますね。

いかにも酒屋さんって感じがします」

店内を見回した後、大倉が言った。

「だいたいのお酒は、私が星野さんに言ってそろえさせたようなものなんだけどね」

そう言った美桜に、
「どう言うことですか?」

大倉は不思議そうに首を傾げた。