さくらへようこそ

その日の夜。

「はい、今日は鰆の塩焼きです」

美桜はいつもの常連客たちに鰆の塩焼きを置いた。

「おーっ、旬だねー」

工場長が嬉しそうに言った。

「僕、魚の中でも鰆が大好きなんですよ!」

校長先生は割り箸を手に持った。

「おいおい、この前は鱈が好きだって言ってなかったか?

その前は秋刀魚だったじゃねーか」

口をとがらせて言ったのはレコード店である。

「まあ、基本魚は何でも美味しいけどね♪」

不動産屋は鰆を口に入れた。