さくらへようこそ

男はやったとガッツポーズをした。

「そう言えばですけど…さくらちゃん、彼の名前なんて言うんですか?」

校長先生が思い出したと言うように言った。

「えっ…」

美桜も思い出した。

(…そう言えば、名前聞いてなかった)

いろいろあり過ぎて男に名前を聞くのを忘れていた。

男はニッと歯を見せて笑うと、
「浅越輝(アサゴエヒカル)と言います。

年齢(トシ)は23です」

自分の名前と年齢を言った。

「なるほど、ヒカルくんですかー。

漢字はよくある、“光”と言う字なんですか?」

続けて聞いた校長先生に、
「いいえ、“輝く”と言う字で“輝”です」

輝が答えた。