さくらへようこそ

「えー、何?

さくらちゃん、雇ったの?」

不動産屋は椅子に腰を下ろした。

「雇ったんじゃなくて…」

答えようとした美桜をさえぎるように、
「俺が働かせてくださいって言ったんです」

男が不動産屋の前に小皿を置いた。

「俺が作ったおつまみです。

よろしかったら1口どうぞ」

不動産屋は箸で男が作ったおつまみを口に入れた。

「んっ、美味い!

唐辛子がピリッと効いてるねえ!」

不動産屋はうんうんと首を縦に振ってうなずいた。