さくらへようこそ

「このカゴにあなたのお気持ちを入れてください。

当店のルールなんです」

そう言った美桜に、
「気持ち、か…。

俺、そんなつもりで言ったんじゃないですけどねえ…」

男は困ったと言うように息を吐いた。

その後で何かを思い出したと言うような顔をすると、
「じゃあ、別の方法で支払ってもいいですか?」
と、聞いてきた。

「…はい?」

美桜は訳がわからなかった。

(別の方法で支払うって…どうやって?)

彼の言っている意味が全く理解できない。

「例えば…」

男は財布をショルダーバックに戻すと、そこからまた何かを取り出した。