明日へのトビラ


辿り着いたのは、屋上。
バタンッと閉まったドアに背中を着けて、ズルズルとしゃがみ込む。
ポーチの中から薬の入った小瓶と、水の入った水筒を取り出した。

「はぁ…」

薬を飲んで、溜息をつく。

「それ、何の薬?」

突然掛けられた声に驚いて前を見ると、男子生徒が立っていた。

「あなたに関係ありません。」

冷静を装って言った。
似てる…。
顔は逆光でよくわからないけど、彼が出す雰囲気が…アイツに似てる…。

「関係ない…か…」

そう言うと、彼はしゃがみ込んで、私と目線を同じにした。

「俺は、永倉 奏多。キミは?」
「あなたに教える意味がある?」
「うん。」

そう答えると、彼…奏多は、優しく微笑んだ。


「俺がキミを気に入ったから。」



その笑顔が、あまりにもキレイで…

「美音…吉岡 美音…」

気づいたら、そう答えていた。