「俺は早く帰りたい。」

高杉は、先生を睨んだ。

(こぇー)

山本はひっそりと思った。

「では、高杉は帰ってもいいぞ。」

「ありがたく帰らせてもらうよ。」

高杉は立ち上がり、ドアノブを握った。

「高杉。 気にならないのか?」

先生は、最後に声をかけた。

ガチャ

高杉はそのまま出ていった。

「で?何のお願い?」

山本は言った。

「桃山 ゆう」

?!

「ゆうが…どうした。」

「殺せ。」

「?!なっ、なに言ってんだよ。先生、頭狂ったのか?」

「殺せないのか?これは山本にしか言ってない。…先のことは大丈夫だ。安心しろ。」

「ち、…ちげーよ。なんで…なんでよりによって、ゆうなんだよ…」

「…殺せないだろうな、お前には。」

「はぁ?」

「お前だったら、桃山を殺ってくれると思ったんだが。…ダメだったか。」

「…てか、俺は無理だ。」

「ビビってんのか、そうやって。」

「ビビってなんかっ…。」

「なぜ、俺が山本を選んだかわかっているのか?」

「…?」

「元カレだからだ。」

「なっ、なんで知ってんだよっ…」

「そして、お前はまだ桃山のことが好き。」

「…?!」

「…ふっ…ふっはははっ…」

「…な、何笑ってんだよ。」

「あいつには、恋など、この先もない」

「…どうゆういみだ…」