彼が残してくれたもの


『 気象庁によると東京は安全と判断されましたので、授業を再開します 』

は?!
嘘でしょ?
私は皆の無事を確かめないといけないのに ...

もう、この時の私は居ても立っても居られなかった。

「 先生 、私は帰ります。お願いします。宮城の友達に連絡を取りたいんです。お願いします。お願いします。お願いします。お願いします。お願い .... . 」

涙が止まらなかった。
涙しか出なかった。

『 うーん、分かったよ。早退でいいな? 』

「 ...! ありがとうございますありがとうございます !!!」

私はカバンも持たずに学校を飛び出した。
人目なんて気にしていられなかった 。


どうか無事で。そう願わずにはいられなかった。