その時、後ろでドアの開く音が聞こえた。




「おはよう、蓮。朝ご飯できたよ。」




寝起きのとろんとした目に穏やかな笑みを浮かべて、ゆっくりとした足取りで私の元へやって来た。




そして、私を温かい腕で包み込む。




「おはよう。」




耳元で聞こえた大好きな声に頬が綻ぶ。




そして私は、最近買ったばかりの小さなベッドへ向かった。


まだ寝息を立てて寝ている、小さな小さな命を優しく撫でる。


そんなわたしを覗き込むようにして、蓮はそっと唇を重ねた。


その瞬間、彼独特の優しいオレンジの香りが鼻をくすぐった。