蓮はずっと優しい笑みを浮かべながら、これまでのことを話してくれた。






“見つけられてよかった。”






そんな蓮の思いが伝わってくるようだった。




「それで、お前がいなくなった裏門の方へ行ってみたら、事務のおじさんがいたから聞いてみたんだ。そしたら女の子が黒いでけぇ車に乗って行ったっていうから、その車を調べたんだ。それでここが分かったんだ。」




涙で視界が歪む。




蓮……


会いたかった……




「その辺の人に聞いて回ってたから、時間かかっちまった。遅くなってごめん。」




すると、蓮は着ていたスーツの背広を脱ぎ、それでふわっと私を包み込んだ。




「ほんと、こんな物騒なとこでそんなもん着て、俺の理性飛んだらどーしてくれんだ。」




いたずらっ子みたいな大好きな笑顔に、目頭がじわっと熱くなった。