あれからもう2週間が経った。


これがあいつらの出した命令だった。




『学校を辞めろ。そして、キャバクラで働いて、No.1になれ。そうすれば金も馬鹿みたいに入ってくるからな。』




でも、そんな簡単なものじゃなかった。


酔った男は何をし出すか分からない。


何度、ドレスの中に汚い手を突っ込まれたことか。


うまくかわす術を知らない私は、されるがままだった。


気持ち悪くて仕方なくて。


でも助けてくれる人なんかいなくて。


店の外に連れ出されればどうなっていたことか。





男を誘惑するのにも随分慣れた。


こうやって胸元を見せて、ちょっと甘い声を出すだけでいい気になる。


男はなんて馬鹿なんだろう。


……みんなそうだった?




……いや、




私のことを一番に考えてくれて、


私の為に走り回ってくれて、


一緒にいるだけで温かい気持ちになれた、


そんな人がいたな。




伝えられなかった想い。


その想いを、あそこに残してきたんだ。


伝えたい、でも伝わってほしくない。


そんな心の矛盾をあそこに隠してきたんだ。