コツコツとピンヒールの音を響かせながら、私は男が待つテーブルへ向かった。


男の隣に腰を下ろすと、グロスを塗った口元にうっすらと笑みを浮かべた。




「ご指名ありがとうございます。お待たせしてすいません。」




そう言って男の腕に、自分の腕を絡ませた。


満足そうに笑った男の、二の腕に刻まれた龍のタトゥーに指を走らせ、甘い声で囁く。




「今日はどーしますか?とりあえず、お酒飲みますか?」




胸元の開いた赤いドレスをわざとそいつに近づけ、上目遣いで見つめる。