グラウンドで忙しく走り回っている野球部の一年生を、ぼんやりと眺めていた。




「……まったく、おまえ達は最近気が緩んでるんだよ!」






声を張り上げているのは担任の上野。


HRが異常に長いことで有名な先生だ。


授業中に寝ている生徒が多かったことが気にくわないらしい。





それにしても窓際の席でよかった。


外を眺めたりしなければ、この時間はあまりに暇すぎる。


そんな私の腕に、カサッと何かが当たった。


……紙?


ちらっと隣の席に目をやると、彼はウィンクをしてみせた。


……やっぱりあんたね。