非常階段を足早に降りていく中原さんを、急いで追いかけた。
心配そうにしていた蓮には、先に帰っててって言ってきた。
ていうか、なんで非常階段なんか使うんだろう……。
「……あの、どこに向かってるんてすか?」
「ゆっくりはなせる場所です。」
「……それって……」
私が言いかけた時、中原さんはバンッと目の前の扉を開けた。
ひゅっと冷たい風が頬を撫でる。
「……駐車場?」
静まり返ったそこを、中原さんは迷わず進んでいく。
どこかへ行くのだろうか。
病院の中だと思ってたのに……
「……あの、どこかへ行くんですか?」
「……あの、中原さ……」
「うるせぇ。静かにしてろ。」