-悪魔が紡ぐ恋の唄-



それから少し歩き、
自販機のある曲がり角を
右に曲がる。



「ここが鷲宮荘だよ」



そこには、綺麗とは
お世辞でも言えないような
ボロボロのアパートが
あった。


二階建てで、部屋は全部で
八部屋ほどだろうか。


塗装はところどころ剥げて
赤い肌がむき出して、
その周りに蔦が鬱蒼と
茂っている。


なんというか、
………………………

ぼろ屋だった。


そんなこんなで言葉を
失っていると、
二階の一番左の部屋のドアが
開き、子供が二人出てきた。


「あーっ!!ひな姉だー!!」