『いーよー』
着替え終わった私は、
葵くんを部屋の中へ入れた。
『唯奈、ビックリしないで聞いてね。
俺、重い病気…なんだよね……。』
…ぇ…うそ、でしょ?
冗談…だよね…。うん、絶対にそう。
『葵くん、冗談やめ…『冗談なんかじゃないよ。』
真剣な目で私を見ている葵くんを見て
本当なんだなと思った。
何かもわからない感情に支配され、
押しつぶされるような感覚だった
そして溢れ出す涙、止まらない涙…。
『ほら、これ見て?』
葵くんは私に、自分の右腕を見せた。
葵くんの腕には、沢山の注射の後があった。
『え…う、そ……うぅ…っひくっ…』
気付いてあげられなかった私に腹が立つ
どうして?葵くんは何か悪いことしたの?
ねぇ、神様!
本当にいるのなら、葵くんを救ってよ…

