今日は予定がないわけではなかったけれど、メールで断りを入れて、意を決してエレベーターに乗り込む。
「酒はあるか?」
「母さんが用意してるって」
「殿方は?」
「仕事。ばあちゃんは仕事はよかったの?」
「会長と副会長が頑張ってくれたから、今日はなしじゃ!」
そう言って、あたしの背中を叩く理事長。
それならあなた、いつも仕事してませんよね…?
そう思っているうちに最上階、つまり南雲くんのお家に到着した。
「あれ、人いないの?」
「たぶん屋上で遊んでる。そっちの階段から繋がってるから、先に行って」
「う、うん…」
南雲くんにそう言われ、エレベーター近くにある階段を上る。
すると、透明なドーム型の天井と、リゾートホテルのようなプール。



