いかにも頭のいい人の考えそうなこと、なんて思ったけど、確かにそうだなと思う。
何かのきっかけで人生が変わることだってあるんだろうし。
「じゃあさ、こっちから質問していい?」
「…なんでしょうか?」
「君は何が起きたら、変わると思う?」
「何が、って?」
「人生が変わるとするなら、」
「そうね…」
いろんなことを試してきた。
だけど、どう足掻いても、自分の宿命からは逃げられないのだと思った。
「南雲くんと、キスしたら変わるのかもね」
だから自然と、そんな冗談もだせた。
諦めている人生だから。
「あ、でも、もちろん冗……」
ーーでも、気づいた時は、目の前が南雲くんでいっぱいだった。



