しかし、現実は悲しいものだ。





「ねぇ、パパ。凛ちゃんと結衣くんはいつ結婚するかしら?」

「ママ、待って。まだ結衣くんは大学生だろう?」

「でも学生結婚もアリじゃない?」

「そうだなぁ〜」



久しぶりにドバイの本社に来て見たら、仕事もせずにのんびりの会話をしている両親。




「兄さんも義姉さん、いつもあんな感じだから」


と叔父さんは言うけれど。



凛が嫁に行くとはまだ早い!!




でも。



「お兄ちゃん、いつもありがとう」



会うたびにそう言ってくれる凛を、結局何もすることができずに、見送るだけになるんだろうなとは自覚している。




南雲結衣のことも、凛が死にかけた事件があって、そいつが凛にとっての存在の大きさもわかっている。



兄としては認めざるを得なくなる。



しかしだ。