「ちょっと、どういうことよ!?」

「蘭お嬢様、お待ちくださいっ…」



慌てて駆けつけてくる蘭さんと、いつも凛ちゃんの側にいる使用人の坂口さん。



「蘭チャン…」

「蘭さんすいません…。僕がそばに居ながら…」



僕が謝ると、蘭さんは深いため息をついて僕らを見た。




「貴方達のせいじゃないのはわかってるのよ。別に命を狙われるのか初めてじゃないし、あたしたって一歩間違えれば今の凛みたいな状況にもなったことあったから」

「…………」

「坂口、わかってるわよね」

「はい」

「執事会に通すから」




そう言って蘭さんはスマホ片手に、来た道を帰って行く。



坂口さんは、少し困ったような顔。