僕たちは無力だ。 手術室の赤いランプを見ながら、みんなただ祈ることしかできなかった。 「くそっ、なんでこんなことに」 「落ち着け、マサ」 「吹雪てめぇ、落ち着いていられんのかよっ!」 「な訳ねぇだろ!!」 「二人もとうるさい。座って待つしかないだろ」 「仁…」 「みんな、ごめん。僕がそばに居ながら…」 「順平のせいじゃねぇだろ」 「でも、」 「今はただ、待つしかない」 大きな大学病院に運ばれた凛ちゃん。 彼女は今、手術室で戦っている。 そんな彼女を僕たちは外で待つしかできなかった。