聞きたくない音が、
閉鎖された空間に響く。
恐怖でしかなかった。
「ハァハァ…」
「楽しかったぜ」
「っ……」
指についた蜜を舐めながら、トイレを出ていく。
「…うっ…」
自分の意思とは無関係に、反応する体が。
嫌でも耳に入る水音が。
強く揉まれる胸が。
大事なところにあてがわれた指が。
最後に、感じてしまった自分が。
何もかもが、嫌だ。
「いま、何時よ…」
バッグのスマホを見ると、会場を出てから30分くらいしか経ってない。
なのに感じた時間はその何倍もの時間だった。
「帰ろう…」
こんな時でもわりと頭が冴えていて、身だしなみを整えることはできた。



