「これ以上、こないでっ…!」
「無理だなぁ」
「叫ぶわよっ!」
「叫んでも無理だと思うぜ?ここどこだと思ってんだよ」
「っ……」
うちのホテルもだけど、ここのトイレは防音で、しかも女子トイレ。
会場から少し遠くのところまで歩いてきたから、そう使う人も、ましてやただでさえ招待されている女性が少ないのにいるわけない。
迂闊だった。
坂口さんに連絡しようとも、バッグは足元にある。
そして出口は、この男の後ろ…。
「護衛がいねぇのにウロついてたのがいけねぇんだよ」
耳元で囁いたかと思えば、舌で耳を舐め出した。
「やめっ…」
「逃さねぇよ」
便座から立った瞬間、後ろから抱きしめられる。



