「それでだが、君に頼みがあって…」
「支配人の方から聞いております。スイートをご用意しておきますので」
「さすが君は理解が早いな」
「褒め言葉として受け止めさせていただきます」
少しだけ会話をして、別の人が来たタイミングで席を譲る。
大物資産家とだけあって難しい話をしてくるけど、無事に終了したって感じ。
「はぁ…」
気を抜けないのも、わりときつくて、思わずため息。
明らかにこの中じゃあたしか一番年下だろうってのはわかってるし、年下だからこそ東雲の顔に泥を塗ることはできないと思ってる。
結衣のお父さんーー南雲の社長とは、あっちも忙しそうで軽く会釈することしかできなかった。
でも特別話す必要もない人たちばかりだから、帰ろうかなぁ…。



