「ーーお嬢様、到着したようです」
町外れにある美術館のような大きなお屋敷は、資産家のこだわりと聞いた。
停められている車も、集められている人も、格が違う。
周りから見たらあたしもその同類なんだろうけど、経営者としてはまだ経験浅はかだし。
「お嬢様、先ほどの一橋組の件ですが、今宵のパーティーに参加されていますのでご注意ください」
「……それを先に言いなさいよ」
「申し訳ございません。ではご健闘をお祈りします」
「ったく…」
付き人として坂口さんは来たけれど、パーティー会場に入れるのは招待客とその連れのみ。
坂口さんみたいな付き人や執事とかは屋敷の別の場所で待機となってる。
東雲として呼ばれたのは、あたしだけだ。



