「茅野くんは驚かなかったの?」
「なにを?」
「結衣の留学のこと…」
「驚くもなにも、これくらいの事で驚いたら身がもたない」
「ですよねぇ…」
結衣以上に手強い理事長を相手にしてる茅野くんが、一つ一つに驚いていられないとは思ってたけど、わりとあっさりだな…。
「それに留学は前から決まってた事だったし」
「…………」
「…………」
「えっ!?」
数秒間フリーズした頭が、一気に冴え渡る。
勢いよく立ったから、座っていた椅子が後ろへ倒れる。
「ガタガタうるさいな」
「ま、まえからって、」
「なに言ってんの?」
「前から決まってたってどういうこと!?」
あたしは思わず大声で叫んでいた。



