「ーー南雲家の人間なのに婚約者いなかったのかって思ってるだろ?」
結衣と目が合うと、あたしの感情を読み取ったことをいう。
「ただ単純。相手が圭人だったから」
「茅野くん?」
「南雲の人間も、圭人は認めてるから」
「……………」
「俺も、圭人以外を側に置く気ないし」
確かに、と思うことはあった。
南雲家しか参加のできない家族会に証人とはいえ、茅野くんは参加していた。
しかもトップである結衣のお父さんのすぐ側に席が用意されるほど。
茅野くんにはなら家柄云々ではなく、絶対的忠誠心があるからこそ、南雲家に関わる人間としての地位を持ってるんだ。
でも、そうしないと、付き合えないって、
この世界は不条理だ。



