「晏くんはまだパパに会えてないもんねぇ〜」
母さんが赤ちゃんをあやし、それをみんなで見る。
「いつもサボってる罰だと思えばな…」
「あはは…」
さすがに父さんに振り回されすぎてるのか、お兄ちゃんも厳しい。
理事長も表情は崩してないけど、内心焦ってるだろうな。
理事長が仕事してる姿なんて、見たことないもん。
「七瀬さん、そろそろ」
「もうそんな時間?」
茅野くんに声かけられ、壁時計をみる。
少しの時間、と思っていたけど、予定よりも時間が経ってた。
「凛ちゃんはいまからお仕事?」
「生徒会のね」
「そう。じゃあまたあとでお家に行くね」
「うん、そうしておいて」
じゃあ、と声をかけて理事長室を出る。



