「それで本題なんだけど」
「うん」
「俺と結婚を前提に」
「うん」
「付き合ってください」
「……はい」
お互い、似たような環境で。
でも、違った人生だった。
これから先、南雲くんのそばにいたい。
あたしが東雲であったとしても、南雲の彼と幸せになれる権利はある。
「言っておくけど、あたしわりと忙しいよ」
「俺が会いに行けばいいだけだろ」
「会いにきてくれる?」
「恋人に会いにいっちゃ行けない理由なんてあるのか?」
「ううん、ない」
座っているソファーで、お互いに肩を合わせる。
隣同士にいると、とても落ち着く。
今まで、あれだけ、南雲くんを避けていたというのに。
いまはずっと南雲くんのそばにいたい。



