「外に出れば東雲、東雲って、それが嫌になったの。ただあたしは自由が欲しかったの。だからね、家出しようもしたんだけど……すぐ捕まっちゃった」
「…………」
「ホテルってね、いろんな人間がいるの。いろんな人間のいろんな関係、嗜好、感情が目に見えてくるの。なんであたしがこんなことしなきゃいけないのかって思ってね、あたしだって普通の女の子になりたくて」
「…………」
「でもあの後、あたしが背負ってるものの大きさを目の当たりにして、東雲からは逃げられないんだなって思って…今に至るんだけど」
自由がほしかった。
でもその代償は大きかった。
「だけど南雲くんは、自分が南雲であることから逃げてないから、強いなって」
決して、南雲くんは、南雲から逃げなかった。



