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重苦しい会議室。

これが南雲の家族会。


明らかにうちとは違う、これが南雲家。



そして、南雲くんの父親から提案された取引。




「東雲さんはもしこの結婚に対して、何かお望みですか?」



チラッと、父さんはあたしを見た。

はぁ。


「残念ですが、私たちは何も望みません。そもそも東雲はホテル分野以外には手をつける気もありませんから」

「ですよね。こちらとしてもホテル業界に進出するつもりもありません。それは皆さん一致のご意見ですよね?」

「何を今更。我々とて不可侵な領域だと心得ておる。そもそもそれを決定するのは社長であるお前が決める事だろう」

「はい、そうです。これは確認程度ですよ」

「だから何が、を言いたいんだよ」

「ーーこの家族会で18年前決まったことがありました。私が妻と結婚するわかりに、私の子には南雲に有益な家柄の子と結婚する事を条件とする。結衣にも昔話した事あったよね?」

「あぁ、覚えている」

「凛ちゃん、最低だと思う?」

「いえ…」