あの日から、あのバレンタインから、二週間が経った。





「今日も凛ちゃん来てないね」




今日の空いた空席を眺めながら、ぽつりと呟く。



僕の声に3人も聞こえていたらしい。




「結衣みたいに監禁されてんじゃねぇの?」

「監禁って…。ただ南雲本邸に閉じ込められてるだけ」

「それを監禁っつーの」

「でも凛ちゃんの場合、監禁ってことではないだろ」

「だよなぁ…」




凛ちゃんが学校に来ていない理由。


それは簡単にわかった。






「会長はヨーロッパ巡りをしておるぞ」




理事長に聞いてみたら、すぐ答えが返ってきた。




「最後はアラブの石油王とお食事会とか言っておったがの」




ヨーロッパ…。

アラブ…。

石油王…。



豪華すぎる…。