ーーバタンっ!



「きゃっ…」



部屋につくなり、扉を強く閉め、南雲くんに後ろから抱きしめられる。



男の子の力はとてつもなく、身動きがとれない。


でもしっかりと、南雲くんの体温は感じられる。



「なぐ…」

「ほんっと、バカだな」

「っ……」



嫌われちゃった、かな…。


泣きそうだ。



「ごめっ…」

「なんであんたが泣くんだよ…」

「ごめっ…」

「嬉しかった」



嬉しかった。



そう言った彼は、唇を重ねてきた。


昼間にしたソレとは違う、悲しいものではない。


お互いに向き合い、決して離さないように。

お互いの唾液ですら惜しむくらいに。

甘く、甘く。


短時間のように思えたそれは、わりと長くて。

足の力がぬけ、床に座り込むまで続いた。



唇を離した時には、二人の間には銀色の糸が繋がっていた。