ーーー…



「理事長、これでよかったんですか」



彼女達が駆け出す。

5人の背中を見送りながら、そばに隠れている理事長に問う。



「ワシは良いのじゃ。むしろお主の方が立場は悪くなろう?」

「俺はどうもなりませんよ、ただの下っ端ですから」

「そうかのぉ?」

「個人的には、赤崎真衣には仕えたくないですけど…」

「ほほ、それが本音か」

「……」


まあ、それ以外にも理由はあるんだけど。

だからと言ってこの人に言うことでもないし。



「これでようやく会長も一歩前進したの」

「そうですね」

「東雲と南雲を変えるには、今しかないからの」


理事長は、本当に…


「孫には甘いですね…」



孫想いな、ただのお祖母ちゃんだ。



「どうなるでしょうか…」

「さぁの」



無事に、夜が明けますように。