「あら、聞いてたの?」 「…………」 「だんまりも程々にしなさい」 「…………」 「チッ、ほんとムカつく女ね」 「…………」 「でもいいわ。今夜正式にあたしは結衣の婚約者になる」 「…………」 「これから先、彼と結婚し、彼と愛し合い、彼の子供を産み、そして一生共にするのはあたしなの」 「…………」 「恨むならあたしではなく、生まれた境遇を恨みなさい」 「…………」 「世の中、権力のある人間こそが上に立つのよ」 彼女は、そう言い放った。