「当たり前じゃない。結衣の魅力は南雲家の跡取りであることよ。あたしの将来も安泰じゃない。それに彼は見た目もいいのよ。彼とあたしの子なら見た目も抜群に決まってるわ。そしたら良き母親としての地位も貰えるでしょう。誰にも指図されずに女としての最高の地位がもらえるのよ」
ーーーこういう人だ。
初めから分かっていた。
むしろあたしは、そういう人間を、悪巧みする大人をたくさん見てきた。
だからこそ、彼女もそういう人間であることは、見た瞬間にわかった。
……彼女の場合、わかりやすすぎたけれど。
電話を切り終わった彼女と、目が合う。
彼女は笑っていた。



