「じゃあまたあとでね」
そういって女の声を出す彼女ーー赤崎真衣さん。
教室を先に出ていったのは南雲くん。
あたしに背を向けて歩いていく。
「ふぅ」
教室では彼女は一息つくと、どこかへ電話をかける。
「ひっさしぶり〜」
口調からすると彼女の知り合いに電話をかけているのかもしれない。
巻き込まれたくないな…と思って踵を返した。
ーーけど。
「そうよ、今日、南雲結衣の女になる」
彼の名前が出て、足を止めてしまった。
「えぇ今日よ。最高でしょ。バレンタインに良い男が手に入るのよ」
「え、彼の気持ち?そんなの今からでもどうにでもなるわ。この先ずっと一緒にいるんだもの。彼もあたしを好きになるわ」
「え、幸せなのか?」
この人は……ーーー



