「っ……!?」
「反則だろ、それ」
「なぐっ…」
「黙れ」
あたしから歩み寄ったはずなのに、いつのまにかソファーに押し倒されていた。
そして、南雲くんからの、キス。
触れるだけじゃない。
啄ばむような、激しいキス。
お互いにお互いを離さないように。
深く、深く。
息つく間もなく、お互いに確かめ合った。
でも、それは、悲しい口付け。
「俺だって、こうなりたくはなかった」
「南雲くん…」
「そしたらあんたを、泣かせずにすんだのかな」
「っ……」
あたしの目からは、涙が溢れていた。
「俺は、大人に、早くなりたかった」
「だったら俺は、誰にも指図されるつもりはなかったのに」
「でも俺がまだ子供だから」
「あの一族には逆らうことができないんだ」
それはもしかすると、南雲くんの最後の悲痛なうったえだったのかもしれない。



