「ーー赤崎真衣と、キスしたでしょ」
あたしはまた腰を浮かした。
「あれはあっちから…」
「そんなのどうだっていい」
南雲くんの座ってるソファーに近づき、彼の顔を一瞬だけみて、唇を重ねる。
なんで。
どうして。
嫌に決まってるじゃない。
なんで好きな人のキスシーンを見なきゃいけないのよ。
あたしがみたあの場面は、確かに南雲くんからではなく彼女からだった。
あたしが通りかかったのを見計らってだったと言うのは、キスする前に彼女と目があったからわかる。
南雲くんと彼女が今後どうなろうとも、あたしが口出せることではないけれど。
それでも、キスする姿を見たいとは思わない。



