ナイト!





悲しいかな。

せっかく心に封をしたのに、見てしまった現実に狂いそうになる。



「凛ちゃん?」

「ん?」

「どうかした?」

「ううん、なんでもないよ」



バレンタインだからと言って、授業が変わるわけでもなく。

だけどすでに騒ぎは起きているから、生徒会は校内の巡回に回る。



昼休みはほぼないに等しく、その代わり理事長から、生徒会メンバーは午後の授業は欠席しても単位もらえるように手配はしていた。


こういう時だけ理事長は頼りになる。


みんな暇つぶしがてら生徒会室に集まり、あたしがあげたチョコレートを食べてる。


「美味しい〜」


喜んでくれてなにより。



「あれ?どこ行くんですか?」

「せっかくだし、散歩に」

「寒いのにぃ〜」



みんなと一緒にいるのは楽しい。

でも今日はそんな気じゃない。

今日はあたしがそわそわしている。

同時に、怖くなる。



寒いけれど、寒いなりに体を落ち着かせたかった。