「つーかそもそもバレンタインの話をするために来たわけじゃないんだけど」
「おぉ、そうじゃったの」
「何の用だよ、ばぁちゃん」
「何の用じゃったかのぉ」
「ないなら帰るけど」
「よいぞ。思い出したらすぐ言うから」
「なかったは無しだからな」
「うむ、肝に銘じる」
「覚えておけよ」
ソファーから立ち上がり、この部屋を出て行く。
もちろん、彼女もついていく。
「理事長、自分が楽しけりゃいいってわけじゃありませんからね」
「バレておったか」
「そんなにあたしを、彼女と南雲くんの取り合いをさせたいのですか」
「面白いからの」
「まったく…」
結末がわかっている戦いなんて、時間の無駄だというのに。



