「そうですね…。まあできるに越したことはないとは思いますけど、その必要もないので」
彼女とあたしじゃ、女性としての価値観が違うのかもしれない。
普通の女子高生に通う彼女と、何年間も白零女学院に通っていたあたしとでは。
彼女はあたしをただの一般庶民と思っているから、なおさらその価値観に違和感を持つだろう。
そもそも料理を作る時間なんてあたしにはないし、あっても仕事で疲れてるから休ませろって思う。
厨房に入るとなったら坂口さんはじめ、メイドたちにも止められるだろうし。
「でもお主は会長からチョコレート欲しかろう?」
理事長が見つめる先には、南雲くん。
「別に」
そう彼は言った。



